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J.Bally

2026/09/12
j. Bally

 Bally ― ピラミッドに込められた時間
マルティニークのラムを語るうえで、J. Bally(ジェイ・バリー)は特別な存在である。
今回ご紹介するのは、特徴的なピラミッド型ボトルに入ったJ. Bally Rhum Vieux Agricole Martinique 12 Ans d’Âge。サトウキビの搾り汁から造るアグリコール・ラムを12年間熟成した一本である。
創業者ジャック・バリーは1917年頃、ル・カルベのラジュス農園を取得し、ラム造りを開始した。そして1924年頃から、ラムを樽で長期間熟成させることに力を注いだ。
さらに1930年、彼はピラミッド型と四角型のボトルを考案する。
その背景として興味深いのが、当時ヨーロッパで流行していたアール・デコである。1920~30年代を代表する装飾様式で、直線、三角形、円、左右対称などの幾何学的な形を用い、豪華さと近代的な機能美を融合させた。
ピラミッド型ボトルも、まさにこの時代の美意識を感じさせるデザインである。
つまりバリーは、ラムそのものだけでなく、それを収める器まで含めて「特別な酒」にしようとしたのである。
樽の中で時間を重ねるラム。そして、その時間を象徴するピラミッド。
この12年熟成を飲むことは、単に12年もののラムを味わうだけではない。
1924年頃から始まった熟成への挑戦と、1930年に生まれたピラミッドボトル。その歴史を、グラスの中で味わう一杯なのである。

  

  

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より、抜粋。